岩泉町で大正琴「扇靖流」チャリティーコンサート、音楽教育向けに寄付も
岩泉町民会館で6月2日、大正琴扇靖(おうせい)流(本部=東京都八王子)による「岩泉被災者支援チャリティーコンサート『輝』」が開催された。
東京都を中心に、同流派の11支部から総勢220人が出演。ステージでは「北国の春」を皮切りに、「荒城の月」「ラ・クンパルシータ」など、歌謡曲から唱歌、タンゴまで約20曲を大正琴の演奏で披露した。来場した大勢の町民らが、澄んだ音色とハーモニーに聴き入った。
演奏会の途中、同流派から岩泉町の伊達勝身町長に「子どもたちの音楽教育に役立ててほしい」と、総額およそ90万円の寄付金が手渡された。舞台上で伊達町長は「今度は皆さんを招待して、楽器を頂いた子どもたちによる演奏会を開きたい」とお礼の言葉を述べ、会場からは大きな拍手が送られた。
同流派はこれまでにも、同町3カ所の保育園に、電子ピアノやカスタネットなどの楽器約70点を寄贈。チャリティーコンサートの収益や会員からの寄付で、同町の支援活動を続けてきた。
今回の出演者の最高齢は90歳。家元の岩佐扇靖さんは「大正琴は50代、60代から始める人が多い。日々、楽しく輝いて生きているメンバーの演奏で、岩泉の皆さんに元気を与えたい」と話す。「ここで生まれた縁を大切に、長くお付き合いができれば」とも。
同流派の一行は、翌3日にも宮城県気仙沼市で震災犠牲者への供養コンサートを開催した。