陸前高田、水耕栽培「グランパ」が見学会-レタスの水耕栽培で復興支援
陸前高田市でエアドーム型植物工場を運営する「グランパファーム陸前高田」(陸前高田市川崎)が7月31日、一般見学会を開催し約40人の地域住民が参加した。
国道45線沿いに出現した巨大なドーム
同ファームは今年2月、同市と企業立地に関する協定を結んだ「グランパ」(神奈川県横浜市)が整備したもの。約1.8ヘクタールの土地にレタスの水耕栽培用の直径29メートル、573平方メートルのエアドーム8基が並ぶ。現在の稼働は3基のみだが、9月にはフル稼働の予定。同社によると、1ドームで450株のレタスを定植できるとしている。
集まった住民たちはエアドーム内に作られた円形の水耕栽培施設を埋め尽くすレタスを前に説明を受け、栽培に使う水溶液が無害か、台風や雪に耐えられるのかなどを質問した。
同市米崎地区で農業をしているという30代男性は「自分たちの農業とはまるで違う。すごい仕組みだ」と感心していた。大船渡から参加した60代のボランティアガイドは「今日は勉強に来た。津波による塩害と絡めてボランティアや観光客に説明したい」と話す。
同社によると、陸前高田は神奈川県より冬場の日照時間が200時間ほど長く、レタスは夏場で1カ月、冬でも40日ほどで収獲することができるという。
同社の阿部隆昭社長は「露地栽培でレタスの収穫は2回だが、ドームなら12回の収穫が出来る。天候に左右される不安定な農業から安定的な農業へ。安定供給、安定価格、安全確保を大切にしたい。共存共栄の仕組みを作り、地元に還元していきたい」と話す。
すでに8月1日から「イオン」や地元スーパー「マイヤ」などへ出荷が始まった。地元雇用は現在17人。